今日は毎月先生にお越し頂いて開催しているリトミックレッスンでした。
このリトミッククラスは小1〜3年生。
もしかしたら、「リトミックって、もっと小さい子向けのメソッドなのでは?」なんて思われる方もいるのでは?
実はスイスの作曲家であり、音楽教育家でもあったエミール・ジャック・ダルクローズ(1865~1950)により考案された「リトミック」というメソッドはそもそも、「音楽の諸概念を動きを通じて体得する」という理論に基づき、より良い音楽家を養成するためのものでした。
現在楽器を始める前の準備期間、というような位置付けで行われているリトミックは、そんなダルクローズの理念のほんの一部であり、本来は楽器の演奏とともに、それを演奏する人の身体もよりよい楽器となるよう、並行して出来るのが理想なんですね。
例えば今日のレッスンでは…
先生が、ある一定のテンポの中で、様々なリズムによる曲を演奏されます。(この日は四分音符、8部音符、2部音符、)
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子供たちはそのリズムを聴き取ると即座にそれに合わせた動きをします。
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次第にランダムだったそれぞれのリズムの音楽はパターン化して反復されていきます。(子供たちも自然にそのパターンを察知し、次に何が来るか、予測して動くようになります)
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さて、そこで今動いていたリズムが音符となって登場!
皆既にピアノではこれくらいのリズムは弾いているので、名前もそれぞれの分割、長さ等しっかりわかっています。
頭で分かっていても、実際の曲の中で使用されるとテンポも違えば前後関係も違う。そうなると意外と混乱してしまう子が多いのですね。
でも!こうして、「体感」も通すことでより頭と身体の相互理解によりその感覚は確かなものになります。
音程感覚というのも実は同じことが言えて、例えば「ド↑ミ」という音型を読むのに無意識に「ド↓ミ」なんて読んでしまうという事もよくあるのですが、これは体感として上行形は音程付けずともそのように読む、下行形も然り、さらに音程もつけて歌う時は、しっかりその距離とエネルギーを感じて歌う。
読譜ひとつにしても、こんな風に意識して常に身体感覚に耳を傾けて行う事で、俄然効果を体感して楽しくなります😊
更に更に、先ほどのリズム感覚と組み合わされば…「楽譜を読む」事=頭の中でその音楽が再生される、という素敵な読譜体験が生まれてきます。
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本日のリトミックのお題、最終的には…
身体を動かしたリズムに、今度はメロディーをつけてみましょう♪という宿題に。
わずか3パターンのリズムに、実にさまざまな方向からアプローチ、使いこなせるものとなりました☺️
本日のブログにはリズムレッスンについてのみ書きましたが、この他にこの日のレッスンでは三和音を3人で歌う、なんて事もしていましたが、子供たちの歌う和音は、自然に良い響きを知っていて本当に綺麗でした。
まさに、身体をより良い楽器として調律するリトミック、奥深いです。
最後に、我が家にお越し頂いている浅野かおり先生が寄せて下さったお言葉を載せておきます😊
リトミックって?
スイスの作曲家であり、音楽教育家でもあったエミール・ジャック・ダルクローズ(1865~1950)により考案されました。一言で言うならば「身体を使って動くことにより音楽を感じ学び、表現する」音楽と動きを融合した教育法です。
日本では、幼児からシニアの方々まで、また音楽科や保育科の大学、音楽講師の方々のために、そして、リトミックの柔軟な考え方が音楽以外の分野(演劇・ダンス・療法など)にも取り入れられています。
「良く聴く」→「身体・心で感じる」→「イメージする」→「表現する」
音楽を良く聴き、たくさん動き、心が動く。動いて感じたものを声で身体で音で表現する…
そして
「聴覚・視覚・触覚」+「筋肉感覚」がリトミックには大切な感覚です。
身体を動かすと筋肉の感覚が育ち表現力が養われていきます。
ただ歩くだけではつまらない…そこに音楽が寄り添えば歩くという動きが不思議と楽しくなります。その音楽がどんな雰囲気なのかによっても心に変化が生まれ、それに伴い自然と歩き方が変わります。歩くというシンプルな動きひとつの中にも様々な表現が生まれます。楽譜上の音符を追っているだけではタイミングだけになりがちです。身体で動くことで筋肉感覚が育ち心が動いた経験が、音となり表現する手助けとなります。
音楽には拍・拍子・テンポ・リズム・フレーズ・ニュアンス・音の高低などたくさんの大切な要素があります。それらを自分の身体で動き体験し感覚的に理解していきます。
また、身体を動かすと心も開放されます。動くことで身体と心のバランスも調和され、子供たちの持っている感性や感覚を引き出すことにもつながっていきます。
このような活動を経験していくことで、集中力・判断力・コミュニケーション力(音楽との、お友達とのなど)・空間認知力なと、生きていく上での大切な力も養っていきます。
「リトミック」と言っても、対象者、人数、どこで?(音楽教室なのか?幼稚園保育園なのか?など)により目的も内容も異なります。
千加子先生のお教室でのリトミックは月一回ではありますが、現在は既にピアノを経験している生徒さんが参加くださっています。音符の名前もドレミの階名も知っています。リトミックでの体験が、楽器を演奏するときにすこしでもプラスとなって表現できるお手伝いができればと心がけています。
また、ピアノは一人で練習することが多い楽器です。月に一回でもお友達と音楽と共に動き歌い感じ考える時間を共有することは、子供たちの心身の発達にも力となってくれることを願いながら…☆
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